空が青いから白をえらんだのです〜奈良少年刑務所詩集〜 感想

空が青いから白をえらんだのです〜奈良少年刑務所詩集〜 感想

Post to Google Buzz
Pocket

 

昨日、一昨日とホロスコープ鑑定を開催させていただきました。

お会いできた皆様ありがとうございました。

印象としてはみなさまご自分の中に「答え」を持っている感じがしました。

でも意識化まではされていなく、言葉にするのももどかしい・・・

私がお伝えする言葉に「ハッ」とすることもあるけど、どこかわかっていたような・・・

そんな感覚があったかもしれません。

でもその感覚が大切なんですよね。

ホロスコープってその人の本質が表されているものですが、

活かす方向がなかなか自分ではわからないものです。

私のホロスコープ鑑定は、単純に「金運!恋愛運!仕事運!見ます!」

というものではなく、

深海魚探索みたいにその方の奥底にあるものからアプローチしていくような感じです。

お話を聞きながら、随所に漏れてくるキーワードをヒントにホロスコープを読み解き、

ホロスコープを活かし、自分らしく人生を発展させていければと思っています。

4月ホロスコープ対面セッションの日程もアップしましたのでご検討ください。

 

スポンサーリンク

 

さて、タイトルの「空が青いから白をえらんだのです」というのは、

絵本作家の寮美千子さんが以前講師として携わっていた、

奈良少年刑務所の受刑者たちの「詩」を編んだ詩集の題名です。

 

奈良少年刑務所は文字通り奈良にある刑務所ですが、

貴重な近代建築としても有名な場所で重要文化財として認定されています。

建物が古くなったため、今は刑務所としての使用は終了し、

現在は民間の手でその建物を活かしてホテルとして開業のための工事が進んでいるとのこと。

少し前のニュースでも話題になった場所です。

 

寮美千子さんが、

この少年刑務所で行われていた「社会性涵養プログラム」の講師として

「特殊な受刑者たちに向けての情操教育の講義を行って欲しい」

依頼されたことからこの詩集が生まれました。

 

涵養(かんよう)とはあまり聞いたことがないことばでしたが、

自然にしみこむように、養成すること。無理のないようだんだんに養い作ること。

という意味だそうです。

つまり、

この奈良少年刑務所で行われていた「社会性涵養プログラム」とは、

挨拶の仕方や、絵を描いたり、詩を書くことで、

本来の人間としての感性や人との関わり方を育むことを目的としたものです。

 

「罪を犯した人たちになんでそんなことまでさせるの?」

という疑問もあるかもしれません。

私も最初はそう思いました。

 

でも、このプログラムは受刑者全員が受けられるわけではなく、

受刑者の中でも、

コミュニケーションがうまく取れなかったり、

単純な刑務作業なども当たり前にこなすことができないため、

他の受刑者たちからもいじめにあってしまうような

いわゆる「問題児」とされた人たちです。

 

実は、彼らが問題児となってしまったのは、

過去に自分がひどい虐待を受けていて心を閉ざしてしまっていたり、

育児放棄にあって適正な教育を与えられずに育っていたり、

貧困や飢えから、どうしようもなくなって犯罪をおかしてしまったりと、

単純に言うと、

幼少期から「心の傷」を抱えすぎて

もうコントロールが効かない状態で気がついたら刑務所にいた。

という背景を持っていたからだそうです。

 

この本を読んで、

私が持っていた「犯罪者」に対してのレッテルをバリバリっと自ら剥がしたくなりました。

犯罪者=悪い人

間違ってはいませんが、単純に直結するものではありません。

 

犯罪者になりたくて生まれてくる赤ん坊なんてこの世にいませんよね。

たまたま不具合の多い家庭や環境で育ってしまったがために

人間性を養うことができなかったり、

信頼できる大人がいなかったりしたら

誰だってボタンを掛け違ってしまうのではないか?

彼らがそのような背景を持っているということを私は想像もしていなかったのです。

 

そんな背景を持つ特殊な受講者たちが

刑務所内で行われた寮美千子さんの「物語の教室」で

少しずつ心を開き「詩」で自己表現することを学んでいきます。

自分が書いた詩を発表する、

クラスの仲間が書いた詩に対して感想を述べる。

こんな単純すぎるほど単純なことですが、

彼らは自己肯定感を持ち始め、人との交流を楽しみ、

自分の言葉で伝えることで人間としての感性を取り戻していくのです。

 

この詩集の表題となったのは「くも」という詩でした。

 

「くも」

空が青いから白をえらんだのです。

 

この作品を書いたのは、

DVで父親から暴力を受けていた母親を助けたくても助けられなかった経験がある少年でした。

たった17文字。俳句と同じ文字数ですが5・7・5のリズムでは載せきれない、

ストーリーがこの詩にはあるような気がします。

おそらくこの詩集を読んだ人たちは、

自分の想像力の乏しさに愕然とするはずです。

それほど、彼らが書く詩はまるで津波のように心の中に怒涛の勢いで押しかけてきます。

読む人によっては、胸が痛い。そんな状態が少し続くかもしれません。

 

編者である寮美千子さんは、

この教室を通して逆に自分が受講者たちに成長させてもらったと思ったそうです。

私もこの詩集を読み終わり、清清しい気持ちになりました

そして寮さんと同じく、すこし成長した気分もありました。

このプログラムは受刑者たちの「更生」を目的としたものでしたが、

更生とは決して罪を犯した人たちだけに使用する言葉ではないのかもしれません。

たまたま塀の外にいる私たちも、常に「更生」し続けなければいけないのだと思いました。

 

人によってはこの詩集はきれいごとに思えるかもしれません。

犯罪者は所詮、犯罪者でしょ。

そういう社会の目の方が大多数だと思います。

でも彼らの詩の世界は、決して塀の中の世界の話ではなくて身近なものなのだと思います。

別世界の人たちの話ではなく、

彼らもまた社会の一部であることを知るため読んでほしいなと思います。

 

↓詩集

↓寮美千子さんが涵養プログラムに携わっている時の話

スポンサーリンク

Post to Google Buzz
Pocket