
書評前編 一青妙「私の台南」発売トークショーに行った話
以前、「台南は、台湾の京都って言われてるんだよ」と、古都好きな私としては聞き捨てならないことを教えてもらいました。
台湾に行くときは大抵台北に滞在するため、あまり台湾の地方については知らないのです。
そのため、台南はぜひ訪れたい街になりました。
なかなか機会がないまま台南への憧れが止まないので、とりあえず情報収集をと思い、ネットで台南の本を探すことにしました。
そこで見つけたのがこちらの一青妙さんの「わたしの台南」でした。
たまたまその頃、西荻窪の旅の本専門店のまどさんで一青さんのトークショーが行われるということで参加することにしました。
《会場は満員御礼》
当日「のまど」を訪れると小さなお店にすでに人がいっぱい。おそらく80名以上の参加者がいました。かろうじて前の方に残っていた席を確保。ちょうど一青さんを近くで見ることができる席だったのでラッキーでした。
身近で妙さんを見ましたが、綺麗な方だな〜という第一印象。ポツポツ残りの席も埋まり、後方の方は立ち見の方もいました。
《スライド&トークショー》
妙さんの自己紹介から始まりました。作家の他に、女優、歯科医もしているという話から入り、書店のある西荻窪という街が舞台の大変だったことを思い出させるなどのお話も。ちなみに「血」が好きなので歯科医を選んだそうです。
台南の本を書くきっかけとなった話に移っていきました。一青さんはお父様が台湾人、お母様が日本人であったことから幼少の頃は台湾に住んでいたそうです。今でも年に数回台湾を訪れているそうですが、その際に、自分のルーツについて調べてみたくなったそうです。
スライドと、クイズを使い、ユーモアを交えながら妙さんの台南の話が進んでいきます。
聞きながら当日購入した本をパラパラめくっていると、本自体はエッセイなので写真はあまり多くなかったのですが、1枚の写真が目に止まり「妹」という添え書きがありました。それが一青窈さん。そこで初めて姉妹だったことを知りました。
実は「一青」というお名前から察しなきゃいけなかったんですが、この方歌手の一青窈さんのお姉さんでした。失礼ながらトークショー当日までまったく知らずにいました。
《台南での出会いの話》
妙さんにとって台南の魅力は人との出会いにあったようでした。たまたま宿泊していたところの近所の檳榔屋さんの楊さんと仲良くなった話が印象的でした。台南滞在時は見かけられるたびに「ご飯は食べたか?」「大丈夫か?」というまるで自分のお兄さんのように声をかけてくれるそうです。
「台南で立ち止まってたら必ず誰かが寄ってきます」と真剣な顔でおっしゃってましたので人懐っこい土地柄らしいです。
《妙さんの台湾への想いを感じられた》
台南という場所は、歴史があり、人情味があり、どことなく日本の昔の情緒ある街と似ているののかな〜と思えてきました。
また妙さんのルーツも台南にあったことなどもお聞きでき、最後は本だけではわからない日本人と台湾人のご両親を持つ妙さんの台湾に対する思いなども聞かせてくれました。
妹の窈さんの曲って独特の世界観があると私は感じるのですが、お姉さんの妙さんも直接お会いしてみてお淑やかな静かなエネルギーを醸し出しつつ秘めたる情熱がある方だと思いました。
お二人はあまりお互いに連絡を取り合わないので、妙さんが台南に滞在中にたまたま窈さんに連絡したら窈さんも台南に滞在してた。なんてこともあるそうです。独特の価値観をお持ちなところはやはり似ていると思いました。
たまたま本を見つけたらトークショーがあったので行ってみたのですが、著者の話を聞いてから読むというのは良かったなと感じました。本の背景などもわかり、より著者にも興味が湧きますね。
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