
「クイーンズ ギャンビット」は今観るべき最高のドラマ
Netflixで配信中の「クイーンズギャンビット」を観ました。
「最近はまれるドラマがない!」
と勝手に憤っていた私の脳天をぶっ飛ばすほどの素晴らしいドラマでした。
最終回まで全7話ノンストップでみたのなんて久しぶり!
1話70分程と普通のドラマとしては1話1話がちょっと長めなんですけど、
1秒たりとも目を離すことができないほどの魅力があふれてて
「私が観たかったのはこれよこれこれ!」と
まだまだ余韻から覚めません。
海外ドラマファンとしていろいろ見てきましたが、
ここまで胸を打たれたドラマはブレイキンバッド以来です。
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1960年代のアメリカが舞台。
主人公のベスは母親が事故死(自殺)したため
孤児院で育つことになります。
たまたま用務員である初老のシェイブルさんから
チェスを教えてもらうことになりその才能を開花させていきます。
養子になったあとも義母の協力の元、
チェス大会に出場してどんどん頭角を現していくというストーリーです。
チェスというと多くの日本人にはあまり親しみがないと思うのですが、
私も「チェスってよくわからないから・・」とこのドラマは食わず嫌いしていたのです。
が、ほぼ全編チェスの話だけにも関わらず
全然気にならなくてどんどんのめり込んでいけちゃいました。
最終回まで観てもチェスのルールはまったく頭に入っていませんが、
それでもチェスの世界観に魅了されていきました。
今よりも女性が社会で仕事をすることが珍しかった時代、
チェスの世界でも女がチェスをやるなんて・・
みたいな風潮があったんですよね。
ましてや主人公のベスはまだ10代前半。
チェス大会に参加しても子供がなに生意気なこと言ってんだよと
思われることばかりなのに
強豪をどんどん打ち負かし、周囲を唖然とさせていきます。
顔は可愛いし、スタイルもいいし、頭もいい、
でも愛想はよくないし、
人を信頼することができないので基本、人との交流は苦手。
でも、チェスをやらせれば右に出るものはいないほどの唯一無二の存在なのです。
そんなベスを周囲の人たちが徐々に応援しだします。
まるで桃太郎のように味方を増やしていく主人公のベス。
このドラマの時代背景として、
ベスの実母や義母は才能があるにも関わらず
社会での活動が自由にできないという葛藤を描いています。
ベスの同級生の女子たちも
女性は学校を卒業したら結婚して子供を産むのが当然
というレールの上を歩いていきますが、
ベスは自分の能力を信じて、我が道を突き進んでいきます。
今の日本では選択肢があるので
この時代よりは恵まれているとは思いますが、
それでもまだまだ社会の見えない「ルール」や
自立することへの恐れを抱かせるような風潮があるのかもしれません。
ベスもなぜチェスに魅力を感じるのかという質問に対して、
「チェス盤の世界は自分でコントロールできるから」というセリフがあります。
孤児院で育ったベスにとっては
自分が唯一自由になれる世界だったとも言えるでしょう。
最終回は「号泣」でした。
このドラマは最終回のためにそれまでの話を
いっときも目をそらすことなく観る必要がある
と私は思いました。
それはよくある「伏線はってる系」みたいな小賢しいものじゃなくて
とにかく主人公のベスの成長とベスの才能や魅力に惚れた人たちの想いが
最終回につながっているからという
極めてシンプルなことなのです。
でね、このドラマの魅力のもうひとつが、
ファッションやインテリアなどがものすごく美しいということ。
ベスが大人になるにつれてファッションも洗練され、
ベスを養子に迎えた家のインテリアや、
世界各地のチェスの会場なども
60年代のエッセンスを忠実に取り入れていて
どれをとってもディテールが凝っているのがわかります。
今、日本でも性蔑視やハラスメントなどいろいろな
性の問題がよく話題になっています。
このドラマにも当時の女性の社会進出の賛否という
メッセージが込められているんだと思うんですけど、
自分を信じ、努力して能力を研ぎ澄ませていけば
外側の「声」さえも「超えていく」のではないかと私は思いました。
もちろん、きれい事では済まないことも多々あるでしょうけど、
人の発言の切り取り、揚げ足をとって
「蔑視だ!」「差別だ!」と騒いでいる人たちの方が
よっぽど不自由さを助長しているのではないでしょうか?
私はNetflixの回し者でもなんでもありませんが、
このクイーンズギャンビットを観るために
1ヶ月だけ契約しても惜しくないと思います。
それほど私たちは”今”これを観る必要があると感じました。
ぜひ観てください!
おすすめです。
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